Gera(Kyoko Maruoka)/Tokyo JAPAN クロスステッチ図案のデザインをしたり絵を描いたりしています。 WEB→http://www008.upp.so-net.ne.jp/gera/  図案の商用利用、画像の無断転載を固く禁じます。


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MITSOU

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最近見た展示。銀座教文館で「島多代の本棚から~絵本は子どもたちへの伝言」。図版で見た絵本の古典ともいうべきあの本、この本を「本」という三次元の形で見ることができてよかったです。ガラスケースから出して中身もペラペラ見たい衝動に駆られる。

そして「バルテュス展」(東京都美術館)。あんまり好きじゃないけど、講学のためには外せないかと思って出かけたら本当に見てよかった!!! それは↑の『MITSOU』(河出書房新社)。バルテュス少年が10歳前後に描いた40枚の絵からなる絵本で、言葉はなくて(リルケの序文は余計な気が…)絵だけ。それもどこか茂田井武風の朴訥な白黒の絵なんだけれど、飼っていた猫「ミツ」への切々たる想いがすべての線から饒舌に湧き上っていて、思い出が甘ければ甘いほどどうしようもなく切ない絵。
もちろん構図といい、線といい、さすが巨匠の少年時代!っていう早熟振りにも驚かされるけれども、何より正真正銘「描かずにはいられない」っていう絵には見る人の心を揺さぶる何か粉のようなものが散りばめられている。しかもそれを喪失感にかられた子どもがやったら、もう何もかなうものなし。おばあちゃんの死について書く子どもの作文コンクールみたいに。機会があったらぜひ本だけでも見てみて下さい、と思ったりしてたら、たまたま読んでいた金井美恵子『ページをめくる指』(平凡社ライブラリー)にもこのMITSOUについての文章があって、私が知らなかっただけで、有名な本だったのか。


『嵐が丘』の挿画も素晴らしかった。タブローも実物の色やマチエールはやはり美しかった。
結局、この人にとって少女の絵を描くことは、ルイス・キャロルがアリス・リデルに物語を聞かせずにはいられなかったようなものかなと思っていたら、所持品の展示コーナーにアリスの本がありました。

で、バルテュスは絵は読まずにただ見て欲しい、と言っていたようだけれど、一方絵を「読む」楽しみがあったのは「非日常からの呼び声~平野啓一郎が選ぶ西洋美術の名品」(国立西洋美術館)。日曜美術館に出演してたとき美術に対する造詣の深さはハンパナイなぁと思っていた平野啓一郎さん(司会してくれたらいいのに)が、所蔵品から選んだ絵に一枚一枚解説を書いてくれていて、まず絵を見て、それから読んで、また絵を見る、という流れがとても面白かった。
私もそう思う!というところもあれば、へぇ、意外な視点!っていうところもあって、普段はバルテュスみたいに「絵に言葉は不要、ジャスト色と形!」と思うことが多いけれど、特に印象派以前の絵にはやっぱり「読み解く楽しみ」もあるなぁと思いました。久しぶりに若桑みどりさんのもの、読みたくなりました。

同時開催の「ジャック・カロ~リアリズムと奇想の劇場」も面白かった。ルーペの貸し出しあり。細かいところを見ていくとギョっとする場面が多数。奇想よりも人間の行為そのものの現実の方がギョっとする。看板にもなってるあの絵は、がっぺの源流を見たような思い。

というわけで、上野方面にお出かけも楽しいです。そして今週の日曜美術館は大好きな熊谷守一なのです!
by geratkb | 2014-05-30 21:53

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